珈琲タイム

鶴彬バラード

 

 

「鶴彬バラードってのがあってね」

そんな話を柳誌「川柳人」の編集兼発行人である

佐藤岳俊さんご本人から伺ったのは昨年のこと。

え、なになに、と興味津津だったのですが、

このたびその「詩」が明らかになりました。

 

「川柳人」は、さかのぼれば

井上剣花坊に始まる大変に歴史ある柳誌です。

明治から大正、昭和にかけて。

豪放磊落で反骨精神あふれる剣花坊のもとには

幅広い人材がたくさん集まりました。

鶴彬(つる・あきら)もその一人で、

戦時中もプロレタリアと反戦の姿勢を貫いた伝説の川柳人。

特高に検挙され、29歳で生涯を閉じるも

作品は今もさまざまに語り継がれています。

 

そんな鶴彬の句をモチーフに佐藤岳俊さんが詩を書き、

さらに曲をつけられたのが「鶴彬バラード」。

イベントなどでは自らギターで弾き語りもされるそうです。

 

今月発行の「川柳人」の最新号(通巻948号)に

その詩が掲載されていましたので

こちらでも紹介させていただきますね。

さてもどんなメロディなのか。

ますます興味津津になって

やはりいつかぜひ、ライブで拝聴したい。

 

****************

 

【鶴彬バラード】

    

   佐藤岳俊(詩・曲)

 

君はおぼえているだろうか

君はおぼえているだろう

あの遠い暗い雲の下

今も歩いている

あれは 鶴彬

「萬歳とあげて行った手を大陸において来た」

 

君は思い出すだろうか

君は思い出すだろう

あの惨い弾圧の嵐

今も呻いている

あれは 鶴彬

「手と足をもいだ丸太にしてかへし」

 

君は語りだすだろうか

君は語りだすだろう

あの血糊 うばわれた命

今も叫びだす

あれは 鶴彬

「胎内の動き知るころ骨がつき」

 

君は歌いだすだろうか

君は歌いだすだろう

あの焼かれ消えたヒロシマ

今もつづいている

平和への歩み

「暁をいだいて闇にゐる蕾」

 

君は伝えていくだろか

君は伝えていくだろう

あの墓場 原爆の骸

今も帰れない

フクシマの故郷

ふるさとが原発マネーの泡に消え

石棺になる原発の成れの果て

 

〈注〉「 」は全て鶴彬の川柳作品である。


新子花ごよみ #67

 

娘からもらうやさしい秋ドレス  新子

 

 

 

 

センスが良くって母思いの娘が見立てた

お洒落なドレスが浮かびます。

色もさりげなく今シーズンのトレンドカラーだったり。

「お母さん、これ着てどこへ出かけようか」

 

心弱りを察してくれたのか、

娘からの、色合いも肌ざわりもやさしい一枚は

手にするだけで、自身もほっとやさしくなれる。

気持ちも久しぶりに外へ向いて。

 

「秋」の一語に、重ねきた歳月も

そこはかとなく感じられる

新子76歳のときの作品です。


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プロフィール


芳賀博子
「時実新子の川柳大学」元会員。
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より担当。
ゆに代表。
https://uni575.com

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