無力有力
このたびの熊本、大分の地震で被災されました方々には
心よりお見舞い申しあげます。
震度7の揺れ、続く余震、ライフラインの断絶。
神戸の21年前がよみがえりつつ、
神戸とも東北とも違う今回の震災。
それでも気がつけばこの句集を手に取っていました。
川柳集『悲苦を超えて 阪神大震災』。
1995年3月15日、すなわち阪神大震災がおきた約2か月後に
発行された小冊子です。
神戸在住の編集者・故曽我六郎氏が発案、
「地震とは、実に人の心までずたずたにするものだと思い知った。
そこで私は、自分も含めて川柳を作ろうと思い立ち、
『震災』をテーマにした句を作ることで
『元気を出そう』と仲間に呼びかけた」(あとがきより)
「一人十句から三十句。選は(妻)新子に一任」というハガキ案内に、
近隣、遠方27人の仲間が応え、239句を収載。
発行されるやたちまち話題となり、
朝日新聞の天声人語で紹介されると、
さらに大きな反響を呼んで、2か月後には
大和書房よりハードカバーで出版されるにいたりました。
真っ暗な瓦礫の山に埋もれてた 永井乃里文
余震しきりにいま何日の何曜日 島村美津子
明けの星無気味なまでに輝けり 坪井篤子
水運ぶ人々懺悔するように 大西俊和
トラックの音にビクリと身構える 寺西文子
選をした時実新子自らも詠んでいます。
待っていたような気もする地の怒号
その刹那バラわっと咲くわっと散る
天焦げる天は罪なき人好む
死者はただ黙す無力な月は照る
あと少し生きる地震の罅(ひび)の身で
「無力有力」と題された11句。
今、作品もさることながら
このタイトルの重さをかみしめています。
心よりお見舞い申しあげます。
震度7の揺れ、続く余震、ライフラインの断絶。
神戸の21年前がよみがえりつつ、
神戸とも東北とも違う今回の震災。
それでも気がつけばこの句集を手に取っていました。
川柳集『悲苦を超えて 阪神大震災』。
1995年3月15日、すなわち阪神大震災がおきた約2か月後に
発行された小冊子です。
神戸在住の編集者・故曽我六郎氏が発案、
「地震とは、実に人の心までずたずたにするものだと思い知った。
そこで私は、自分も含めて川柳を作ろうと思い立ち、
『震災』をテーマにした句を作ることで
『元気を出そう』と仲間に呼びかけた」(あとがきより)
「一人十句から三十句。選は(妻)新子に一任」というハガキ案内に、
近隣、遠方27人の仲間が応え、239句を収載。
発行されるやたちまち話題となり、
朝日新聞の天声人語で紹介されると、
さらに大きな反響を呼んで、2か月後には
大和書房よりハードカバーで出版されるにいたりました。
真っ暗な瓦礫の山に埋もれてた 永井乃里文
余震しきりにいま何日の何曜日 島村美津子
明けの星無気味なまでに輝けり 坪井篤子
水運ぶ人々懺悔するように 大西俊和
トラックの音にビクリと身構える 寺西文子
選をした時実新子自らも詠んでいます。
待っていたような気もする地の怒号
その刹那バラわっと咲くわっと散る
天焦げる天は罪なき人好む
死者はただ黙す無力な月は照る
あと少し生きる地震の罅(ひび)の身で
「無力有力」と題された11句。
今、作品もさることながら
このタイトルの重さをかみしめています。
- 2016.04.25 Monday
- 川柳
- 19:39
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- by 「時実新子の川柳大学」管理人