珈琲タイム

川柳から俳句を学ぼう

今回のむむむ?なタイトル。
実はこれ、俳句雑誌「俳句α(あるふぁ)」(毎日新聞出版)最新号の
特集記事のタイトルなんです。



なんでもこの企画、
「創刊23年となる本誌」が
情報化、グローバル化が芸術分野にも及んでいる状況をふまえ、
「第一回の<川柳>をはじめとして、これから短歌、詩、古典作品など、
俳句の周辺のジャンルを学びながら、
さらに俳句を深くひろく追及し、その本質をさぐっていきたい」
とスタートさせたものだそうです。

はたして初回の川柳。
その歴史や俳句との違いなど
いろいろな視点からのアプローチが
川柳人にも新鮮でおもしろいのですが、
なかでも興味深いのが
「覚えておきたい近・現代川柳50」。
近・現代という長いスパンでのたった50人による50句。
そのセレクトがちょっと意表を突くというか、なんともシブイのです。
剣花坊、久良伎や六大家はおさえつつ、
独自の存在感を放つ個性派の句も数々。

  泣きに出て月夜はいつもいいきもち  笹本英子  
  点滴終わる九千三百十二滴      海堀酔月
  子にあたふ乳房にあらず女なり    林 ふじを

一体どなたがどういう基準で選ばれたのかと、
編集部に問い合わせてみたところ
川柳の歴史を重視しながら、
編集長を中心に編集部で選ばれたとのこと。
さてもどんな風に検討を重ね、取捨選択されていったのか。
うーん、その会議をのぞいてみたかった!
ちなみに新子句は以下の作品が選ばれています。

  墓の下の男の下に眠りたや      時実新子
 

新子花ごよみ #21


コスモスの中でやさしくなってゆく   新子




とってもシンプルな一句なのに、
いやそれゆえにか
いろんなものがたりがよぎります。

やさしくなってゆくのは作者、
あるいは恋人?
喧嘩してさっきまでぷいと機嫌が悪かったけれど
ふりむくともう微笑んでくれている、とか。
あるいは人でなく、風や光や、
もっと大いなるなにかかもしれません。

と、想像を広げるのも楽しいのですが
しばらくはただぼーっと
句の中にたたずんでいたいような。
やがてコスモスとともに揺れて、なびいて、
ああ、秋だなあと、やさしくなってゆけたら。
一抹のさびしさとともに。

 
(『時実新子全句集』/大巧社)
 

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プロフィール


芳賀博子
「時実新子の川柳大学」元会員。
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より担当。
ゆに代表。
https://uni575.com

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