珈琲タイム

6代目登場

一昨日25日、大阪名物グリコの看板がリニューアルしました。
点灯式で道頓堀にぱっと登場した6代目の晴れ姿は、全国ニュースになりましたね。
先代5代目の終了から約2か月。
工事期間中は綾瀬はるかさんがグリコポーズをとっての代走看板も話題を呼びましたが
6代目はなんといってもLED14万3976個、
ノーベル賞の輝きまで「おまけ」に付けての明るさです。

さてグリコといえば、川柳六大家の一人・岸本水府は
昭和7年から10年までの一時期、グリコの広告部長でした。
「一粒三百メートル」で世間の注目を集めたものの、
当時はまだまだ弱小メーカーだったグリコに入社した水府が仕掛けたのは
新聞のほんの小さなスペースを利用した豆粒広告「豆文」。

 ケンカハオヤメ グリコハオタベ
 グリコタベタベ カクレンボ
 カキゾメニ グリコ トカイタ

水府のコピーは茶目っ気たっぷり、今読んでも頬がゆるみますね。
詳細は田辺聖子さん著『道頓堀の雨に別れて以来なり』にも記されていますが 
グリコはおまけに加えこの豆文で
子どもたちの心をさらにつかんでいったといいます。

 恋せよと薄桃色の花が咲く    水府

これはある日ふと新子先生が口ずさまれた一句。
六大家の椙元紋太の川柳欄で川柳と出会い、後に川上三太郎に師事した新子先生ですが、
「水府の句、いいよねえ」としみじみ。
そんなことも思い出しながら、ポッキーなどぽきんとかじっています。
 

新子花ごよみ #9


わが声の声におどろく芒原   新子




芒は秋の七草のひとつ。
古来より生活に密着した植物で、萱葺(かやぶき)屋根の萱は芒の古名。
草履や縄、ほうきや筵の材料にもなったそうです。

月見団子とともに供える芒の穂も風情がありますが、
やはり野に群生の芒の迫力に惹かれます。
地元、兵庫県内では神河町の砥峰高原が有名で
大河ドラマ「平清盛」や「軍師官兵衛」のタイトルバックに登場。
夏も一瞬立ち尽くすほど美しく、
映画「ノルウェイの森」のメインロケ地にもなったんですよ。

おっと、本題。
一面の芒原に驚く「わが声の声」、それは誰に向けられたものなのか。
あるいはふと口をついてでた流行り歌とか。

声の中から飛び出した声は
思いがけない響きをもって自分の耳に飛び込んできた。
自分の本心にはっと気づいたのかもしれません。

私の目に浮かぶのは黄金色の芒原。
半身をうずめて30代半ばの新子がぽつねんと立っています。

(『時実新子全句集』/大巧社)
 

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プロフィール


芳賀博子
「時実新子の川柳大学」元会員。
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より担当。
ゆに代表。
https://uni575.com

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