珈琲タイム

アツさよりアツい

みなさま、猛暑お見舞い申しあげます。

どこもかしこもハンパじゃない暑さですが
今日は朝から太陽もびっくりの熱いセリフに遭遇しました。

ラッシュ時を少し過ぎたターミナル駅のホーム。
自販機でお茶を買おうとしたら
その横で大学生らしき男子が二人。

「今朝、レナに会うかな」
「え、レナ、この駅?」
「うん」
「レナがどうかした?」
「もし今レナに会ったら、オレ抱きついてしまうかもしれん。
 つかまるかな」

ひえっ、抱きついてつかまる!?
朝ですよ。朝っぱらからです。
文字におこせばまったく穏やかじゃないんですが
その言い方には突き抜けた清々しさがあって
もううらやましいくらいの直情さ、若さ。

新快速が来て、結局彼らは「レナ」に会うこともつかまることもなく乗りました。
さてもレナちゃん、どんな女の子なんだろう。
 

新子花ごよみ #6


月見草一人の旅が昏れかかる   新子





句は平明、そしてすっと心の深いところへ落ちてきます。

旅先、それも一人の旅の黄昏どきをふらりと歩きながら目をとめた月見草。
月見草のはかなげで可憐な姿が、作者の心持ちを思わせます。

もの悲しくて、人恋しくて。
その人恋しさの向こうには秘めたる想い人の顔が浮かんでいたりするのでしょうか。

ところで手元の花図鑑によれば
現在、月見草と称されているのは別種の待宵草、大待宵草とのこと。
本来の月見草は江戸時代に渡来、
夏の夕暮れに純白の花を開き、こちらもまた楚々とした佇まいが目を引くも
「性質が弱いため野生化せず、今ではごく一部で栽培されているのみである」。
一方、同時代に渡来した待宵草、大待宵草は栽培から野へ逃げ出し
いたるところへ広がっていったと。

掲句は1957年(昭和32)、新子28歳の作。
野に揺れる月見草、芯は強いのかもしれません。


(『時実新子全句集』/大巧社)

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プロフィール


芳賀博子
「時実新子の川柳大学」元会員。
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より担当。
ゆに代表。
https://uni575.com

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