「奇跡」と「かるかん」
〈是枝裕和監督の奇跡〉
「まえだまえだ」が好きなのと、他の出演者にも興味を
そそられて、それに加え福岡と鹿児島に数年住んでいた
のでその懐かしさも手伝って……見に行きました。
平日木曜日のせいもあり、観客五人。
これはちょっと寂しい。
鹿児島と福岡が舞台で、祖父(橋爪功)の作る「かるかん」
が出てくるのですが、孫に食べさせ味はどうかと聞く。
あんこの入ってない方なので「なんかぼんやりした味やな」
と孫。
映画の感想も「なんかぼんやり」。
でも「ほっこり」でした。
鹿児島名物の「かるかん」。
最初、新子さんにお土産でもって行った時に猫の餌なん?と
聞かれました。
ちゃいます、山芋で作ったお菓子なんです。
〈「明石屋」という老舗の品 HPから拝借〉
四角い方があんこ無し、丸い方があんこ入り。
甘いものが苦手な私でも餡入り4つ位はいっぺんに食べら
れます。新子さんも美味しいとけっこう食べてました。
私が初めて家族から離れて住んだ場所が福岡でした。
結婚してからもずっと祖父母・伯母の近所で暮らしていて
心細い独り立ちの地(もちろん旦那は一緒ですが)。
それから、鹿児島に行き、桜島の火山灰が降る中、8年程
暮しました。
亡母も一度だけ伯母と一緒に遊びに来てくれて、あちこち
美味しいもの食べて観光をしました。
私も新子さんも自分たちの生活で一番忙しい時だったよう
に記憶しています。
「お母さんと別れようと思うんや」と父からの電話も。
家族一緒に住みたいという「奇跡」を念じることが発端で
始まった子供の願いがいつの間にか違うものになり、父親
母親、弟それぞれの生活を大切にすることにした、兄。
なんとなくその時代の私の潜在意識の中にも同じようなも
のがあったかもしれません。
- 2011.06.28 Tuesday
- 思い出
- 12:29
- -
- -
- -
- by 「時実新子の川柳大学」管理人