珈琲タイム

手紙

川柳仲間の方から、毛筆のお手紙をいただいた。
B4の半紙につらつらと文字が書いてある。読めた[emoji:e-461]!
(時々いただく中に、達筆すぎて半分ほどしか理解できないの
があるのだ) 
「望月こりん」と書いてくださっているのも、素敵!表装しようかな。
宝物が一つ増えたような気がする。

手紙といえば、母はパソコン(ワープロ)による手紙が嫌いだった。
「感激しましたって書いてあるけど、どんなふうに感激したのか
全然伝わってこない」と言っていた。
どんなかなくぎ流でも、それもその人の個性なんだから文字の
上手下手は、気にしなくていいとも。
要は心こめて書いてあれば、文字は下手には見えないってこと
かもしれない。
私は、書き直しが楽なので、ついついパソコンに頼ってしまうが、
気に入った、便箋や葉書がみつかると、肉筆で挑戦する。
それにしても、一時期から比べると、手紙を書かなくなった。
メールでは、通じない何かが肉筆の手紙にはありそうだ。

そんな母の肉筆の手紙が、段ボール箱にいくつかとってある。
母の手紙は、ときどき漫画(?)入りで、楽しませてくれた。
たとえば、洋服をプレゼントした時、それを着たら、こんなふうに
なりましたと注釈付きで、また怪我をした時は、こんなふうに転
んだという具合に。
そろそろ、母の手紙もきちんと整理しよう。

命と数

最近読んだ本に、「君はいくつまで数を数えたことがあるか」
という問いがあった。
私は眠れない時に数を数えるが、100までは数えたことがない。
本によると、人が80歳まで生きるとして、秒に直すと25億秒の
人生。25億秒分の一秒一秒を自分の中で産み、吐き出し、捨て
ていく。「何のためにいきているの」と目的を考えるより、過ぎ去
っていく、一秒一秒を大切に生きることが、とても大切とある。
数字には、トンと縁のない私。
とにかく毎日を大切に生きていく、親にもらった命だもの。

  さて命 数え数えてみなひとつ   新子

珈琲

仕事が一段落して、今日は少しのんびりデー。
こういう時、宮越屋の珈琲が飲みたくなる。豆をいただいて、
仕事場には置いてあり、毎日1〜2杯飲んでいるのだが、
時々、お店に行っておいしく淹れてもらったのを飲みたくなる。

このお店は、北海道札幌が本元で、東京には日本橋三越新館、
新橋、プランタン地下一階にある。

因みに、母が好きだった豆は、神戸そごう地下の売り場のブルー
マウンテン。義妹が、同じ豆を買って家で淹れてみたが、「お母さん
とこで飲んでいた時と違って、美味しくない」と言う。
お水が違うのかもという結論なんだけど……。
どちらにしても、私の「美味しい珈琲」の持論は人様に淹れてもらっ
た珈琲とその時一緒に飲む相手、ということになっている。

お花見

東京の桜、開花宣言。
私は、宴会をやるようなお花見はあまり好きではない。
電車から突然見える桜並木、近所の公園の桜、それで十分満足。
印象に残っているのは、神田明神の一本の桜。ハラハラと花びら
が散る頃に、夜偶然通りかかって桜の精にでもなったような気分
を味わえた。20年も前のことである。

実は、お花見と酔っ払い、これがトラウマになっていて嫌いなのだ。
私が、小学四年生、弟が一年生の時。夫婦喧嘩でもしたのか、母
が夜、お花見に連れてってくれるという。めったにないことなので、
喜んで一緒に行った。姫路城の北の丸公園あたりで、酔っ払いが
私たちに絡んできた。弟と母の後ろに隠れ、どうなるのかとドキドキ
していたら、母の一声「ええかげんにしなさいや」、かっこいい!と
思った。それからなぜか三人で、泣きながら家に帰った。
母が、いちばん元気だったころかな。

今年の桜、天上でどんな思いで見ているだろう。

 もいちどさくらもいちどさくらそれはむり    新子

母の披講のテープをいただいた。
2006年、神戸での全国大会の雑詠の披講。
いろんなことが思い出される。サプライズで母が出席することは
ギリギリまで内緒だった。車椅子で会場のドアの外で待ってい
て、司会者の呼びかけで入場。皆さんの驚きと歓声。
披講は、30句を時おり涙声になりながら、やり遂げた。呼吸が
苦しいのに……と私は思いながら母のガンバリズムを見守るし
かなかった。
 ありがとうと言ったらさようならになる  久保田 紺さんの句。
この句がとても印象に残っている。
ありがとうをいっぱい言いたかっただろうに。
母の声は、うっかりしてテープにあるのは少ない。今から思えば、
残念な気がする。 留守電の声を後生大事にとっている。
「お母さんです、また電話します」何回聞いても鼻がツンツンする。

母娘で、よく「わたしらの声は、蛙を押しつぶしたような声や」と、
笑っていたけど、その母蛙の声ももう聞けないとなると、寂しい。
   
  むらさきの声出す玩具おもしろや  新子

読後感

『時実新子のだから川柳』を読んで、次のような感想をいただいた。

[emoji:v-4] 新子先生のお写真を見てメールしています。
優しいお顔と赤ちゃんを抱いているような手の形に、温かいものを
感じます。エッセイからはお声が聞こえるようです。
先生の句に触れると胸が熱くなり、涙が滲みます。共感はもちろん
ですが、先生はご自分のことを詠んでおられるけれど「わかってる、
わかってるわよ」と言ってくださっているような気がして、心が安らぐ
のでしょうね。癒されます。
今日は慈雨のような春の雨、庭の隅の育ちすぎた水菜に菜の花の
ような花が咲きました。

今、皆様のお手元に本が届き、いろいろな思いでページを繰ってく
ださっている頃だろう。

  母はいま何して在す芹なずな  新子


 

句会大成功

母の一周忌句会は、皆さまのおかげで盛会に終わった。
200名近い参加者数で、「川柳大学」らしい品格のあるいい
句会となった(と思っている)。
それにしても母を愛してくださった方々のエネルギーはすごい!
「先生のためなら」と骨身惜しまず、助けていただいた。
ほんとにありがたいとつくづく思った。
亡母もきっと喜んでくれているだろう。
さて、明日から句会報作りによーいドン!入選句が活字になると
耳から聞いた句と違った趣で、また眼から楽しめるので待ってい
てほしい。がんばりま〜す。

二泊三日の神戸

いよいよ、16日の神戸での一周忌句会に向けて明日出発!
15日はまず姫路へ行くことに。久しぶりの姫路だ。
お昼は穴子ご飯かな?姫路駅地下のたこ焼きも食べたいな。
姫路と神戸は近いようで遠い。言葉も微妙に違うし。
母がたまたま神戸の住人になったので、神戸に縁ができたが、
若いときは大阪に勤務していた関係で神戸は素通りだった。
最近やっと三ノ宮界隈の地図が認識できるようになって、神戸
の街も楽しくなった。
亡母に連れて行ってもらったところを再度たずねたり、母の好き
だったカフェで、母との思い出に浸っている。一年経って、余計に
悲しみが増してくる街、神戸だ。
ということで、18日まで留守になりま〜す。

桜の前のサクラ

『時実新子のだから川柳』のリサーチに都内大手の本屋さんへ。
八重洲BCには平積みで10冊ほど置いてあった。うれしい!で、


4冊購入。売れ行きアップのためのサクラだ。
オアゾの丸善、有楽町の三省堂へも足を伸ばしたが、未入荷の
ため無駄足となった。
そうこうしていたら、出版社の人から電話があり、「神戸のジュンク
堂さんから、100冊の追加注文がありました」と。関西のほうが、
動きが早い。お天気みたいだ、西から動くなんて。

祝開店

昨日、ホームページの接続がうまくいかなくてヤキモキ。やっと
サーバーに繋がり、開通。
さっそく何人かにお知らせ。今日一日でカウントが100を超えた。
祝開店にいろんな感想が寄せられて、改めて母を大切に思って
くださる皆様の気持ちをありがたいと思った。
トップページの写真は、有名な写真家松嶋惇さんに生前写して
もらったもの。遺影に使うように母から預かっていたのに、すっ
かり忘れていて、怒っているだろうなと思っていたが、このHPに
使えて母もきっとご機嫌直してくれていることだろう。

さてさて、もう一つ母の命日に合わせて新刊書が今日発売とな
った。『時実新子の だから川柳』、微力ながら私も協力させて
いただき、立派な本に仕上がった。
選句エッセイが面白いし、字も大きめで読みやすい。でもこの
新子節はもう聞かれないのだ。

  あの子を舐めるこの子を舐める母狐  新子

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プロフィール


芳賀博子
「時実新子の川柳大学」元会員。
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より担当。
ゆに代表。
https://uni575.com

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