新子花ごよみ #50
晶子の涙わたしの涙何変わろ 新子
今年は与謝野晶子の生誕140年。
ただいま神奈川近代文学館では
特別展「生誕140年 与謝野晶子展 〜こよひ逢う人みなうつくしき」を
開催中です。
さて晶子といえば新子。
さかのぼって約半世紀前、
句集『新子』を手にした国文学者・吉田精一はこう評しました。
ひょっとすると、時実新子の句集『新子』は、
与謝野晶子の『乱れ髪』のようなもった意義を
川柳史の上に占めるかもしれない。
その後『有夫恋』が異例のベストセラーになり
大胆に情念を詠む作風から
「川柳界の与謝野晶子」と称されました。
没後10年以上を経てなお
メディアが新子を紹介する際にはこのフレーズが用いられ
今さらながらに新子登場時のインパクト、
また与謝野晶子のゆるぎない存在感を思います。
実際、新子自身も晶子の作品や生き方に
共鳴していたのでしょう。
他にもこんな作品を詠んでいます。
晶子曼荼羅子らの寝顔に責められる
愛ありて晶子に百首屏風あり
(『時実新子全句集』/大巧社)
- 2018.04.10 Tuesday
- 新子花ごよみ
- 11:33
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- by 「時実新子の川柳大学」管理人