珈琲タイム

伏見稲荷吟行

 

先日、伏見稲荷で吟行イベントを開催しました。

NHK文化センター主催、

題して「伏見稲荷で川柳に挑戦! 

 〜パワースポットで言葉力を磨く」。

 

川柳初体験の方、ベテランの方も一緒に

まずは1時間ほど境内を散策。

かの千本鳥居や随所の狐、

おもかる石にきつね絵馬など

ここならではの句材をメモします。

相変らず外国人観光客で大にぎわいで、

一体神様は何か国語の願いを

お聞き届けなんでしょうか。

 

さてその後は徒歩で句会場へ移動。

会場はこのたび一般初公開となる稀少建築の洋館町家です。

昭和レトロな雰囲気の中で

句作の後は抹茶&和菓子を楽しみました。

こちら、ご参加のFさんが撮ってくださった1枚です。

 

 

 煎餅をかじる音まで神がかる    樹

 決意するおもかる石を持ちあげる  秋の子

 美しきスキンヘッドといなり寿司  由紀子

 幸せに近いところのきつね顔    由佳

 黒揚羽世の吉凶を問うがごと    雅之

 

句会ではこんな作品に点が入り、

初心のおひとり曰く

「いざ会場で句箋を前にすると、

 思っていた言葉が

 どんどん変化しておもしろかった」

そう、それが座の力なんですよ。

いや、パワースポットの力?

 

終了時はまだ外も明るく、

さらに界隈をひと巡りされた方もいらしたとか。

「今度は稲荷山のてっぺんまで行ってみたいです」

 

 ちっぽけちっぽけ

  みんな尻尾で振り払う   博子

 


大胆、痛快「わたくし」発

関西はあちらこちらで桜が満開となりました。

週末はちょっとお天気くずれそうですが

なんとか持ちこたえてほしいところ。

 

ところで3月31日付の山陽新聞で

こんな記事が掲載されました。

 “川柳界の与謝野晶子” 時実新子没後10年

と題し、どどーんとカラーの大特集。

見出しもずばり

  大胆、痛快「わたくし発」

 

 

丹念な取材で「新子川柳の魅力」が多面的に紹介され、

なかでも川柳家・森中惠美子さんへのインタビューでは

「盟友」ならではの言葉が光ります。

ちょっと引用させていただくと

 

  結社番傘で腕を磨いた私と、

  川柳界の異端児だった新子さん。

  作風も歩んだ道も異なるものの、

  「わたくし」を詠むという点で一致していました。

 

  新子さんの独自の句と生き方は、

  多くの反発を招きました。

  けれど、彼女ほど女性の裸の心をうたった人はいない。

      川柳に命を懸けた時実新子。

  懐かしく思い出されます。

 


激突の余韻

 

 

今月は2つの短詩型イベントに参加しました。

 

◆1つめは10月10日に大阪上本町のたかつガーデンで開催された

「短詩型文学の集い―連句への誘い」。

こちらは「浪速の芭蕉祭」の関連行事として実施されたもので

詳細はプロデュースされた小池正博さんがご自身のブログでも

レポートされています。

http://daenizumi.blogspot.jp/

 

午後の部から参加し、小池さんよる「雑俳と付合文芸」のお話、

続いて俳人・四ツ谷龍さんと小池さんの対談を拝聴。

対談は小池さんが聞き手というスタンスで

四ツ谷さんの最新句集の作品や背景のことから、

俳句活動、句集作りの話にも及び、四ツ谷さんの

「句集は1ページ何句立てかするかによって読まれ方が違う」

といった視点も、はっと新鮮でした。

 

◆2つめは一昨日23日に伊丹市立図書館「ことば蔵」で開催された

船団フォーラム「激突する!五七五 俳句VS川柳」です。

こちらは第1部のディスカッションの川柳人パネリストとして

先の小池正博さんとともに参戦!?、

第2部の句会ライブでは川柳部門の選者を務めました。

 

来場者全員参加の句会ライブでは

俳人が川柳を作り、川柳人が俳句を作るという試み。

たった10分の作句時間、

「え−っ、俳句(川柳)作るの初めて」の声も聞かれる中、

一同を唸らせる秀句や新発想の句が生まれ

会場が大いに沸きました。

 

第3部は船団代表・坪内稔典さんと川柳塔編集長の木本朱夏による対談。

テーマは「俳句と川柳−近くて遠い仲」。

 

さてディスカッションや対談の内容については

また船団誌上等で公開されることと思いますが、

ともあれ俳人と川柳人の、ありそうでなかった交流イベント。

イベント終了後は、参加された方々がまっすぐ帰るにはテンションおさまらず?、

会場近くのカフェや居酒屋で大いに議論に花を咲かせたという情報も。

 

それはなによりうれしいこと。

そして私自身が、2日経った今も激突の余韻に浸るというより、

いまだ頭の中で「!」や「?」が

ぽっぽと駆け巡っています。

 


俳句×美術 in 篠山

台風一過、兵庫県篠山市で開催中の

「丹波篠山・まちなみアートフェスティバル2016」に行ってきました。

http://sasayama-art.com/

 

風情ある町屋に約80人の現代アート作家たちが作品を展示し、

まさに「町屋が美術館に変わる」町ぐるみのイベント。

 

 

その一環として開催されているのが

「俳句×美術 in 篠山」と銘打たれた俳句と美術のコラボ展です。

廃校になった後川小学校跡を舞台に

俳句と現代アートがコラボした作品が

教室や運動場、廊下やトイレにまで出没し、

なんとも不思議で楽しい時空間に迷い込んできました。

 

運動場に一句。

 

俳句の標本がずらり。

ラベルに俳句が書かれてあり、

蓋のボタンを押すと、句と連動した音が出ます。

 

たねから俳句が発芽!?

 

 動脈は深きところを星月夜   藤井なお子

 ホットレモン階段続く箱の中  小倉喜郎 

 友達の友達家出スイカ切る   植田かつじ

 未来予知研究所前スイッチョン おおさわほてる

 

校舎を歩きながら、自分もまたアートの一部になった気分で

川柳ならどんなことができるだろう、

なんて、もわもわ考えてました。

 

残念ながら「まちなみアートフェスティバル」の会期は

今日までなんですが、

「俳句×美術 in 篠山」の方は

来週10月2日(日)まで開催中。

ここへ来るといい句たくさん生まれるかも。

 


川柳発祥の日

本日8月25日は「川柳発祥の日」。

宝暦7年(1757年)の今日、

初代川柳こと柄井八右衛門が、川柳評万句合の第一回開において

最初の作品を発表しました。

わかりやすくいうと初代川柳が初めて点者(選者)を務めた

万句合の第1回入選句発表の日、です。

 

江戸は浅草新堀端にある天台宗龍宝寺門前の名主だった川柳は

やがて点者として大人気となり、

後に川柳という俳号がそのまま「川柳」という文芸の名にまでなって

今にいたります。

まさかこんなことになるとは259年前の川柳さんこそ

想像もしなかったでしょうね。

 

さて先日、その龍宝寺を訪ねてきました。

初代川柳のお墓や句碑もあり、炎天下の合掌。

http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/ryuhoji/

 

境内には柳の木があたりを見渡すように立っていて、

門の外から1枚撮りました。

 

こちらはご近所の菓匠「榮久堂」さんの銘菓「柳多留もなか」です。

 

写真がいまいちで恐縮ですが

中のもなかは柳の葉のかたちも美しく

サクッともちっと掛け値なく美味。

包み紙には六大家の前田雀郎が謂れを書いているんですよ。

なんでも創業は明治20年だとか。

ほかにも「川やなぎ」など、

龍宝寺またの名を川柳寺詣での際には、お菓子も要チェック。

 


柳都全国川柳大会

ちょっと遅ればせながらのご報告ですが

今月3日、新潟の柳都全国川柳大会に初参加させていただきました。

 

 

今回のテーマは『「現代川柳百人一句集」は語る』。

はい、このブログでもご紹介したあの『現代川柳百人一句集』です。

会場の外では色紙百枚の展示、

そして披講の前には

この句集を手掛けられた「柳都」主幹の大野風柳さん、

北都印刷(現・株式会社北都)の小野さんに

私も加えていただいての鼎談タイムが設けられました。

句集誕生のエピソードや

35年を経て「幻の句集」として再び注目されるまでの経緯、

また百人の作家や作品についてなどなど

檀上でトークしたのですが、なんといってもここは柳都。

当時を知る方々がたくさんご参加で、

後の懇親会でさらにいろいろ

興味深いお話聞かせてくださったのは収穫でした。

 

色紙の展示コーナーでは「復刻してほしい」のお声も聞かれましたが

今回なんと百枚の色紙から

大野風柳さん、小野為郎さん、尾藤三柳さん、

墨作二郎さん、そして新子先生の五枚をセットにして復刻、

大会参加者全員への記念品として配られました。

 

 

それにしても聞きしにまさる

「華やかであたたかい」大会。

あ、懇親会では新潟や東北の方々から

ナマ関西弁をいちいちおもしろがられて

それが逆に新鮮でした(笑)

 

 雨の匂い君の匂いが消えない巣  博子

 

2年後はいよいよ70周年とのこと。

創立主幹の風柳さん、

米寿にしてますます意気軒昂、

晴れやかな笑顔が豪雨も遠ざけ、

翌日の萬代橋です。

 

 

画像はちょっと暗いんですが、

信濃の川風はどこまでもゆったりと心地よし。

 


モナリザと三太郎

 

友人がそろそろ初句集出そうかなあ

なんてうれしいつぶやき。

中味よりなにより、さっそく装丁の話で盛りあがりました。

 

さて装丁といえば最近こんなユニークな川柳書が登場。

 

 

いえいえ、実はこれ昭和31年に発行された

川上三太郎の著書『川柳 おんな殿下』です。

モナリザに蝶にアンモナイト。

60年前とは思えないポップさですよね。

サイズは新書版くらい。

三太郎が「おんな」を詠んだ自句それぞれに

自らショートコントのような掛け合いを添えて

「一般向きに」川柳をアピールした企画本です。

 

  スチュアデス富士を英語で引合わせ

  百貨店おんなコドモへニョッキニョキ

  娘五人映画見ようか喰べようか

 

終戦から十年余、平和をのびのびと謳歌し始める

「おんな」たちがユーモラスに描かれつつ、

当時ならではの「おじさん目線」には

正直苦笑せざるを得ないところもありますが、それもご愛嬌なのか。

というのもあとがきに三太郎自身が書いています。

「この本一冊を見て川柳とはこういうものか―ーと早合点されては困る」

川柳はもっと幅広く

「ゲンに私の句にしてもまだまだ全く違った趣のものがある」

しかしもしこの本が売れたらそういう句の本も出そうと

本屋さんが乗ってくるにちがいないから

「私のファンよ、この本をたのむ」ですって。

 

それにしても表紙カバーはとても気に入ったらしく、

「従来川柳の表紙図案と言えば

 大抵カエルが自転車に乗っていたり腕相撲しているのである。

 ところが同君(※デザインを手掛けた山崎理)とこの本屋さんはちがった。

 ありがとう」

 

時代の波に乗って、いっちょおもしろいもん作ってやれの意気込みが

装丁にもあらわれていて

モナリザの微笑に、三太郎のニンマリが重なります。

 


川柳フリマ

これ、なんでしょう?



はい、正解。ガチャガチャですね。
けれど中はおもちゃじゃなくって小さな筒。
さらにその中には・・



短歌が3首。ふむふむ、むふふ(^^)

こちら今週22日に大阪のたかつガーデンで開催された川柳フリマで見つけました。
「現代川柳ヒストリア」が主催するこのイベントも今年で2回目。



今回は会場もよりゆったりと、短歌俳句の新規出店もあり、
またまた世代ジャンルを超えた刺激的な交流の場になっていました。
先の短歌ガチャガチャは「かばん関西」のブースで売られていたもの。
他にもあの手この手のカラフルな仕掛けやアイテムで
お祭り気分を盛り上げていたコーナーです。



会場ではなかなかお目にかかれないレアな川柳句集の数々も展示され、
ステージでは講演や対談、
さらに最後は事前投句の選句発表に沸き、
たっぷり盛りだくさんの半日を楽しみました。
気になる句集もゲットし、来場の著者さんとおしゃべりも。
短詩の世界もSNSでの発信や交流が日常の中、
ナマの現場はやっぱり熱い。
 

無力有力

このたびの熊本、大分の地震で被災されました方々には
心よりお見舞い申しあげます。

震度7の揺れ、続く余震、ライフラインの断絶。
神戸の21年前がよみがえりつつ、
神戸とも東北とも違う今回の震災。
それでも気がつけばこの句集を手に取っていました。



川柳集『悲苦を超えて 阪神大震災』。
1995年3月15日、すなわち阪神大震災がおきた約2か月後に
発行された小冊子です。
神戸在住の編集者・故曽我六郎氏が発案、
「地震とは、実に人の心までずたずたにするものだと思い知った。
 そこで私は、自分も含めて川柳を作ろうと思い立ち、
 『震災』をテーマにした句を作ることで
 『元気を出そう』と仲間に呼びかけた」(あとがきより)

「一人十句から三十句。選は(妻)新子に一任」というハガキ案内に、
近隣、遠方27人の仲間が応え、239句を収載。
発行されるやたちまち話題となり、
朝日新聞の天声人語で紹介されると、
さらに大きな反響を呼んで、2か月後には
大和書房よりハードカバーで出版されるにいたりました。

 真っ暗な瓦礫の山に埋もれてた     永井乃里文
 余震しきりにいま何日の何曜日     島村美津子
 明けの星無気味なまでに輝けり      坪井篤子
 水運ぶ人々懺悔するように        大西俊和
 トラックの音にビクリと身構える     寺西文子

選をした時実新子自らも詠んでいます。
 
 待っていたような気もする地の怒号
 その刹那バラわっと咲くわっと散る
 天焦げる天は罪なき人好む
 死者はただ黙す無力な月は照る
 あと少し生きる地震の罅(ひび)の身で
 
「無力有力」と題された11句。
今、作品もさることながら
このタイトルの重さをかみしめています。
 

ひそかな絶景




神戸文学館特別展示「昭和の川柳百人一句展」、
今週13日に無事閉幕しました。
おかげさまで多数のご来場、
また数々の反響をいただき、
まことにありがとうございました。

さてこちらの写真、メインで写っている元チャペルの建物が
まさに会期最終日の神戸文学館です。
通りを隔てて真向いにある横尾忠則現代美術館の3階から
パシャリと撮りました。
あいにくお天気は雨もぱらつく曇天で
写真の出来はいまいち(ウデの問題?)でありますが、
実際にここからみる風景は、
あ、と神戸人の私も見入ってしまうほど。
風情ある神戸文学館や街並みのバックに山と空が広がり、
ひそかな絶景スポットとして?おすすめです。

その神戸文学館では昨日18日から
企画展「おはなしの森の物語」がスタートしました。
神戸新聞で連載中の児童文学「おはなしの森」がテーマとのこと。
魔女やサンタやいろんな生きものに会える
にぎやかな森みたいですよ。
http://www.kobebungakukan.jp/#museum-letter
 

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プロフィール


芳賀博子
元「時実新子の月刊川柳大学」会員
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より
担当
http://haga575.com

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