珈琲タイム

来年の新子展♪

お知らせです♪

来年、岡山の吉備路文学館にて

「時実新子生誕90年展(仮称)」が

開催されることになりました。

期間は2019年6月9日(日)〜9月1日(日)です。

2004年、2009年に続く

吉備路文学館での3回目の新子展。

さてどんな懐かしい、そして新しい時実新子に

出会えるでしょう。

詳細は追ってまたお伝えいたします。

 


新子花ごよみ #58

 

信長も光秀もいて師走かな  新子

 

 

 

 

え、どこどこ。

あ、いたいた。

 

ほらそこの忘年会。

あけすけに野望を語りご満悦の殿がいて、

そんな殿に粛々と酒を注ぐ側近の一人が、きっと。

 

いや、それとも。

クリスマスの雑踏を急ぐあの二人かもしれません。

どちらも一見フツーのビジネスマンですが、

コートの下からそれぞれの思惑が

ちらちらのぞいている気がして。

 

なんて、想像をふくらませながら

 

師走を歩いてみるのもまた愉快。

目を凝らせば秀吉や家康も

見つけられるかもしれません。

 

 

(『時実新子全句集』/大巧社)


まる子ちゃんの母

 

こちらのストラップ。

ご存じ、ちびまる子ちゃんのお母さんです。

そして時実新子の遺品でもあります。

本邦初公開。

 

前管理人のご長女、故安藤まどかさんより

あるときひょいといただきました。

業務連絡レターに同封されていた

「オマケのオマケ」です。

 

「飲料水に付いていたちびまる子ちゃん一家のストラップ、

 なぜかおじいちゃんが無くて、

 お母さんが2個ありました。

 新子さんが集めていたものです。」

 

そのうちの1個をどうぞ、というわけですが、

ドリンクをせっせと飲んでは

集められていたんでしょうか。

なんだか微笑ましいですね。

 

まどかさんが生まれたとき。

ほんにまだ生まれたてで「ピーナツ頭」の赤ちゃんを

「まあるくまあるく」とささやきながら

抱っこしていたという新子ママ。

おかげで「まんまる顔になった」と笑っていたまどかさん。

 

ひょっとして新子先生、

ちびまる子ちゃんに幼い頃のまどかさんを

重ねて見てらしたのかなあ、と思うと

鼻のつけ根がツンとします。

 

今年の8月、

「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんの逝去は

日本中にショックを与えました。

でも、まる子ちゃんたちは、

きっとこれからもほのぼのと不滅。

 

ストラップのお母さんの笑顔、いいですね。

私にとっては新子先生の遺品というより

まどかさんとの思い出の品。

久しぶりに眺めて、ほっこりしたり、

またまた鼻のつけ根がツンとしたり、

の晩秋のひと日です。


新子花ごよみ #57

 

こひびとよ菊の枕に訪ね来よ  新子

 

 

 

菊枕。

辞書の解説では

「干した菊の花びらを入れて作った枕。

 香りがよく、頭痛や目の病いなどに効能があるという。」

また

「邪気を払い、

 不老長寿を得ることが出来るとして珍重された」とも。

使ったことはないのですが、興味しんしん。

そして俳人・杉田久女のこんな句がよぎります。

 

 白妙の菊の枕をぬひ上げし  久女

 

女性俳句の先駆けであった久女が

師の高浜虚子の長寿を願って菊枕を贈った

世に知られるエピソード。

しかし後に久女は一方的に破門されてしまう。

 

そんな悲劇的な香りも漂わせる

晩秋の季語「菊枕」をモチーフに

新子は恋の川柳を詠みました。

 

さて「菊の枕に訪ね来よ」

とは、みなが寝静まったら逢いに来てほしい、なのか

夢の中への誘いなのか。

あるいはその両方でしょうか。

 

菊の芳香、「こひびと」の旧仮名遣いが

クラシックに官能的な

恋の一篇を思い描かせます。

 

 

(『時実新子全句集』/大巧社)

 


幻の時実新子集

ひょんなことから、超稀少本を手にしています。

1973年(昭和48)に出版された

「私版・短詩型文学全書 川柳篇・第3集

 時実新子集」(八幡船社)。

 

 

俳人・津久井理一が発行した短詩型文学全書の中の

「川柳部門」の1冊。

新書サイズで50ページほどの体裁は

本というよりシンプルな冊子に近い。
 

これまで新子展のショーケース越しに眺めたことはあったものの

実際に手に取って読むのは初めてです。

 

 産声の近くで神が嗤ったぞ

 母を捨てに石ころ道の乳母車

 菜の花のまっさかり死にたし

 

巻頭の3句から

いきなり飛ばしてますねえ。

章のタイトルも「日ざらし」と「雨ざらし」。

解題は河野春三。

 

句集『新子』以降の10年間の句帖より選られた231句は、

まさに『新子』以降の作品の経緯をみるうえでも

貴重な資料です。

なにか新しい気づきを得られたら

追ってまたご報告しますね。


新子花ごよみ #56

 

恋の体操も終わりの深呼吸  新子

 

 

 

本日10月10日は、かつて「体育の日」で祝日でした。

2000年からは第2月曜に移動しましたが

昭和人?としてはいまだ

旧体育の日としてのイメージが懐かしく残っています。

 

というわけで、今回は体操の一句をチョイスしました。

といっても、これもまた恋の句なんですけれどね。

 

恋も終わりに近づいて

まるでラジオ体操の最後のように

ふうっと深呼吸して息を整えて、

そしてさようなら。

 

ですが、ここへ落ち着くまでには

やはりラジオ体操の過程のごとく

激しく心拍数をあげる山場があったのでは、

などとも想像させる句です。

 

恋の終わりが詠まれつつ

どこかユーモラスで、

そして作者とともに

こちらもふうっと深呼吸ひとつ。

 

 

(『時実新子全句集』/大巧社)


新句集、刊行!

ジャジャーン!

と私事恐縮ですが、このたび管理人・芳賀博子が

第2句集を上梓いたしました。

15年ぶりの新句集です。

タイトルは『髷を切る』(青磁社)。

 

 

 春暮れる消える魔球を投げあって

 私も土を被せたひとりです

 一点の噓 数式が完成す

 ひきちぎるためにつないでいる言葉

 いいよって乗っけてくれたトンボの背

 ニホンオオカミの末裔にてネイル

 あ、録画するのを忘れてた戦争

 

濱崎実幸さんによる装幀もウリです♪

ご注文は最寄りの書店やネット書店へどうぞ、ぜひ。

 

※追記 Amazonでのお求めはこちら

 


新子花ごよみ #55

 

風の駅まもなく電車が入ります  新子

 

 

 

大型台風に続き、北海道での地震。

被災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。

 

今月は時実新子のお気に入りの句をお届けします。

いや、お気に入りかどうか、

直接ご本人に確かめたことはないのですが

雑誌やテレビ出演での自作紹介で

折にふれ挙げられていた句です。

 

いわゆる代表作として知られるような

情念ほとばしる句と比べると

ごくさりげなくてリズムも中八。

それでも、なにか深い思い入れあり

終生大切にされていた作品ではないかと思います。

 

句にいろんな景が浮かびます。

まもなく入る電車に乗るのは

作者か、あるいは。

 

季節の変わり目に、ふと口ずさみたくなる一句。

風の駅に吹くその風の趣も

味わうたびに異なるのですが、

今はやわらかに胸に沁み入り、

はやく穏やかな秋に落ち着くことを

祈るばかりです。

 

 

(『時実新子全句集』/大巧社)


平和美術展@福島

元・川柳大学会員の吉田利秋さんの川柳活動が

先月20日、琉球新報で紹介されました。

 

「川柳素材に平和訴え

  沖縄美術展 兵庫の吉田さん出品」

 

 

 ガム幾万吐き捨てられて沖縄よ  新子

 

本作をパネルに水性ペンキで書き、

那覇市で開催された沖縄平和美術展に出品。

「時実先生は10年前に亡くなったが、句は生きている。

 今でも通じる内容だ」

 

また、ご自身の句も兵庫や広島、大阪、東京と

各地の平和美術展に出品されています。

 

 

ユーモアあふれる作風が魅力の吉田さん。

一方で平和を訴える活動にも積極的に参加、

その経験から得た気づきや思いも

率直に川柳に詠み続けておられます。

 

来週より開催される福島平和美術展にも出品されています。

お近くの方はぜひどうぞ。

 

第21回 ふくしま平和美術展◆

 2018年8月29日(水)〜9月2日(日)

 午前10時〜午後6時(最終日は午後3時30分)

 郡山駅前 ビッグアイ6F 市民プラザ展示室

 入場無料

 TEL 024−922−5544


新子花ごよみ #54

 

夕涼み本を読む娘が一人居て  新子

 

 

 

 

記録的猛暑が続きます。

例年なら節電や省エネを訴えるメディアも

今年はこぞって

「躊躇なくエアコンをつけてください」

を連呼しています。

 

それでも、はや立秋を過ぎ、

ほんの少うし日も短くなってきました。

夕涼みにほっと息つける日が待たれますね。

 

さて掲句。

どこか懐かしい景です。

娘は一体なにを読んでいるのかしらん。

なんて娘をみやるまなざしもやわらかで

句からはふわっと打ち水のにおい。

 

 

(『時実新子全句集』/大巧社)


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プロフィール


芳賀博子
元「時実新子の月刊川柳大学」会員
初代管理人・望月こりんさんより引き継ぎ、2014年2月より
担当
http://haga575.com

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